学会会長挨拶

会長就任にあたって
川崎 良道
(沖電気工業株式会社)

 このたび、海洋音響学会会長に選任され、大変光栄に存じますとともに、責任の重さを強く感じております。同時に選任された渡辺好章、澤田浩一両副会長、理事の皆様と海洋音響学会の発展のため、努力してゆく所存です。

 2017-18年は、蜂屋前会長の元、より会員の皆様に有益な学会となるように努力してまいりました。例えば、技術講習会を従来の海洋音響の基礎と応用のみの講習に加え、海洋音響分野の最新技術動向の講演も行うことを試行しました。また、2019年研究発表会では、ポスターセッションの会場で、賛助会員による展示を試みました。2019年度からは、海中騒音の評価手法研究部会を開始します。シンポジウムの開催内容についても検討する予定です。また、海洋音響に関連するプロジェクトの完了時には、発表の場を設けていきたいと考えております。会員の皆様により良い学会になるよう努力してまいりますので、皆様のご協力をお願いいたします。

 外部の動向といたしましては、昨年に第3期海洋基本計画が策定されました。その中で、①海洋の産業利用の促進、②海洋環境の維持・保全、③科学的知見の充実、④北極政策の推進、⑤国際連携・国際協力、⑥海洋人材の育成と国民の理解の増進が挙げられています。この分野は海洋音響関係の研究者・技術者が大きく貢献できるところだと確信しております。また、ご存知の方も多々いらっしゃると存じますが、日本の海底探査チームが、準優勝するという喜ばしいニュースが入ってきました。海外に対して、日本の海洋関係の技術力に関してプレゼンスを示せたのではないかと思います。この様に成果を出していくためには、海洋音響学に関する研究者、技術者を不断に育成し続けることが必要不可欠です。海洋音響学会としては、学会の理念にある通り、海洋音響に関する技術の調査及び研究を行うことにより、その振興を図り、海洋開発の促進に寄与することを目的としており、研究発表会の開催、学会誌の発刊、シンポジウム・談話会の開催、webでの情報発信、技術講習会の開催など普及啓蒙活動を充実させるとともに、学術調査研究事業である研究部会、奨励事業である各種表彰、企画交流促進事業である海洋工学会の活動を活発化させ、海洋音響関連の発展にさらに貢献してゆく所存であります。

 産官学の会員の皆様にとって、より有益な学会となるよう前進したいと思いますので、会員の皆様のご支援をよろしくお願いいたします。