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第40回海洋工学パネル・プログラム (2010/7)

第40 回海洋工学パネル・プログラム (PDF)

テーマ: 日本の海は再生可能エネルギーの発電所になり得るのか

日時: 2010年7月30日(金) 9:30 〜 17:40

会場: 日本大学 理工学部 駿河台校舎 1号館2階大会議室

【コンセプト】

海洋における自然エネルギーの利用については,わが国でもかなり古くから数多くの研究開発が行われてきた。その中には実海域での実験的検証まで進んだ事例もあるが,残念ながら本格的な発電事業にまで展開されているとは言い難い。しかしながら,近年,地球温暖化の抑制やCO2 排出量の削減に向けた新エネルギー導入の促進,海洋基本法の制定・海洋基本計画の施行など社会的背景が大きく変化する中で,各種の海洋エネルギー利用(波力発電,洋上風力発電,潮流発電など)の実現化に向けた動きが再び加速してきている。本パネルでは,国内外における再生可能エネルギーの導入事例と動向を紹介するとともに,再生可能エネルギーの発電所として,どのように我が国の海洋を利用することができるのか,そのためには産学官がそれぞれ何をしていくべきかについて議論したい。また,本パネルテーマとの直接的な関連性はないが,緊急報告としてプログラムの最後に,メキシコ湾の原油流出事故に関して専門家から講演していただく。

【プログラム】

午前の部 司会 日本海洋工学会運営委員 定木 淳(資源素材学会)

9:30~9:35 開会挨拶 日本海洋工学会会長 木下 健(日本船舶海洋工学会)

(1) 9:35〜10:05 海洋再生エネルギー利用についての経済産業省の取組み(仮題)

近藤 洋介 氏 経済産業大臣政務官

(2)10:10〜10:55 中東産油国の再生可能エネルギー導入の最新動向

岩間 剛一 氏 和光大学 経済経営学部 経済学科長 教授

米国のオバマ大統領が地球環境保護と景気回復の両立をはかるグリーン・ニューディール政策を表明してから,地球温暖化防止に効果があるとされる原子力,太陽光発電,風力発電をはじめとした再生可能エネルギーの開発が世界的に活況を呈している。世界の原油埋蔵量の3分の2を占める中東産油国においても,原子力,再生可能エネルギーの拡大によって,急増する電力需要を賄う計画が相次いで発表されている。本講演では,原子力,再生可能エネルギーの中東における今後の利用動向と,新エネルギーに関して先端的な技術力を持つ日本企業との関係についての分析を紹介し,今後の日本と中東産油国の協力における新エネルギー技術の重要性を述べる。

(3)10:55〜11:30 日本の海洋再生エネルギー利用の役割

木下 健 氏 東京大学 生産技術研究所 教授

再生エネルギー開発が世界中で大規模に進められている中で,適地が限られているわが国での再生エネルギー利用の振興には海洋空間の利用が欠かせない。各種海洋再生エネルギー開発の内外の現状と,わが国の推進上の問題点を指摘する。

11:30~12:00 午前の部 討論

12:00~13:20 昼食

午後の部-Ⅰ 司会 日本海洋工学会運営委員 大山 巧(土木学会)

13:20~13:45 海洋工学関連会議報告

13:45~13:50 JAMSTEC 中西賞授賞式

(4)13:50〜14:25 洋上風力発電の現状と日本での実現に向けて(仮題)

長谷川 和正 氏 三菱重工業(株)原動機事業本部 主席技師

欧州では,英国が2020 年までに全エネルギーの15%を再生可能エネルギーから得るという目標を掲げるなど,各国独自の目標を掲げ,積極的に洋上風力発電の開発に乗り出している。一方我が国では,2020 年までに温室ガスを25%削減するという目標を掲げており,これを実現するためには風力発電の活用が不可欠である。陸上での風力発電設備建設に適した土地が少なくなるなか,洋上風力発電に対する期待は大きい。本講演では,洋上風力発電先進国である欧州の現状を紹介し,日本での洋上風力発電の産業化には何が必要かを考える一助としたい。

(5)14:25〜15:00 浮体式洋上風力発電プラットフォームの実海域実験

宇都宮 智昭 氏 京都大学大学院工学研究科 准教授

ノルウェーのStatoil 社は,2.3MW の風車を搭載する浮体式洋上風力発電プラットフォームの実証実験に成功した。わが国においても,2009 年8 月末に,京都大学・佐世保重工業株式会社・戸田建設株式会社・日本ヒューム株式会社の4 社が,ハイブリッドスパー型10 分の1 モデルによる浮体式洋上風力発電プラットフォームの実海域実験に成功し,その有効性を確認した。ここでは,世界における浮体式洋上風力発電の開発動向や技術的課題について触れたのち,ハイブリッドスパー型プラットフォームの開発の経緯とその内容,10 分の1 実験の詳細,さらに実規模実証実験の実施に向けた今後の展望について述べる。

(6)15:00〜15:35 波力エネルギー利用の幕開け

黒崎 明氏 三井造船(株)事業開発本部 事業開発本部長補佐

再生可能エネルギーの導入に関し主要国に遅れをとるなか,昨年夏に東京都の呼びかけで設置された波力発電検討会は今年3 月,波力発電はわが国が置かれた地域特性を地球温暖化対策に最大限に活かすことのできる再生可能エネルギーであり,新エネルギーとしての政策的位置づけを明確化した上で,その開発と導入促進に取り組むべきことを提言した。本報は,海外の動向や日本周辺海域における波力発電の潜在力など,提言の背景について報告するとともに,今後,実海域実証実験や波力発電事業が立地する候補海域が定まり,計画を具体化していくなかで想定される課題について検討する。

15:35〜16:05 午後の部-Ⅰ 討論

16:05〜16:30 コーヒーブレイク

午後の部-Ⅱ(特別講演) 司会 日本海洋工学会運営委員 増田 昌敬(石油技術学会)

(7)16:30~17:10 米国メキシコ湾における原油流出事故-掘削リグ「Deepwater Horizon」

の暴発と沈没

伊原 賢 氏 (独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構 上席研究員

4 月20 日にメキシコ湾で発生した掘削リグ「Deepwater Horizon」の暴発・沈没事故により,油流出とそれが米沿岸部に広がった問題について,事故が発生した掘削事業,事故発生の経緯と対策,及び,事故原因の調査状況について,色々な報道や分析がなされている。大水深における掘削作業の信頼性確保には,宇宙開発と同じ位の高度な技術力が必要とも言われる。両者の共通点は,地表環境と比べ厳しい環境にあること,修理や回収のためのアクセスが簡単にできないこと(ダイバーの潜水限界は水深300m)が挙げられる。事故の事実関係についてレビューし,事故の発生原因,そして,この事故が今後の海洋石油開発に与える影響について,掘削作業に係る技術面から一考察を試みる。

17:10〜17:30 午後の部-Ⅱ 討論

17:30〜17:40 閉会挨拶 日本海洋工学会副会長 増田光一(日本建築学会)

17:50~19:30 懇親会

司会 日本海洋工学会運営委員 影本 浩(日本船舶海洋工学会)