日本海洋工学会 第32回海洋工学パネル開催 (2005/7)
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関 係 各 位
日本海洋工学会
会長 山崎哲生
日本海洋工学会 第32回海洋工学パネル開催のご案内 (PDF)
この度、日本海洋工学会は「海洋地震ならびに津波への防災技術の確立を目指して-スマトラ沖地震・津波に学ぶ-」をメインテーマに、第32回海洋工学パネルを開催いたします。ご多忙とは存じますが、関係の皆様とお誘い合わせの上、多数ご参加下さいますようご案内申し上げます。
また、日本海洋工学会について詳しい内容をお知りになりたい方は、下記ホームページをご覧下さい。
http://homepage3.nifty.com/JFOES/
尚、このパネルは「土木学会継続教育(CPD)プログラム」の認可を頂いております。ご来場に際して、土木学会が発行した「継続教育記録簿」をご持参頂ければ受講証明、CPDマークの配布を行います。
1.概要
日時: 2005年7月27日(水) 9:30-17:30
会場: 日本大学理工学部駿河台校舎(JR中央線御茶ノ水駅下車徒歩3分)
1号館2階大会議室
住所 〒101-8308 東京都千代田区神田駿河台1-8
TEL 03-3259-0470
案内地図をご希望の方は,次のホームページをご覧下さい;
http://www.cst.nihon-u.ac.jp/guide/surugada.html
参加費: 一般 6,000円、 学生 無料
(一般参加者へは、パネル開催後テキストが送付されます。学生はテキストなし)
2.懇親会
時間: 17:45-19:00
会場: 日本大学理工学部駿河台校舎 1号館2階カフェテリア
参加費: 3,000円
3.テキスト
価格: 一般 2,000円, 学生 1,000円 (ただし、テキスト購入のみの場合)
4.参加申し込み
文頭に「第32回海洋工学パネル」と明記し、懇親会への参加の有無、所属、住所、所属学会、電話・FAX番号、メールアドレスをご記入の上、事務局(6.参照)までメール、FAXまたは郵送でお申し込み下さい。
◎当日申し込みも可
5.パネル参加費等の支払い
パネル参加費、懇親会参加費、テキストのみ購入のお支払いは、銀行及び郵便局によりお支払いをお願いいたします。また、当日会場でのお支払いでも結構です。各振込口座は下記のとおりです。
銀行振込の場合
銀行名: 三井住友銀行 霞が関支店 口座番号: 6583116
預金種別: 普通預金
口座名: 社団法人国際海洋科学技術協会
郵便振替払込の場合
口座番号: 00190-5-151360 加入者名: 日本海洋工学会
尚、銀行振込の場合は、受付確認のため振込確認証のコピーを事務局までFAXして下さい。また、郵便局振込の場合は、払込取扱票の払込金受領証を領収書とさせていただきます。
6.日本海洋工学パネル事務局(参加申込・お問い合わせ)
(社)国際海洋科学技術協会気付け 猪口茂樹
〒105-0011 東京都港区芝公園2-8-2 小貝ビル4階
TEL: 03-5777-3466 FAX: 03-5777-3467 E-mail: このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。
あるいは,下記の日本海洋工学会運営委員にお問い合わせ下さい.
海洋音響学会 渡辺 好章 0774-65-6268 このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。
海洋調査技術学会 桂 忠彦 03-3543-0686 このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。
寺本 俊彦 03-3545-6255 このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。
資源・素材学会 定木 淳 03-5841-7074 このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。
山崎 哲生 029-861-8721 このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。
石油技術協会 増田 昌敬 03-5841-7063 このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。
土木学会 遠藤 茂勝 047-474-2445 このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。
勝井 秀博 045-814-7226 このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。
日本沿岸域学会 多部田 茂 03-5841-7793 このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。
日本建築学会 野口 憲一 03-5381-5520 このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。
増田 光一 047-469-5386 このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。
日本水産工学会 川西 利昌 047-469-5421 このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。
日本船舶海洋工学会 池上 国広 095-838-5159 このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。
木下 健 03-5452-6169 このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。
プログラム (PDF)
第32回海洋工学パネル「海洋性地震ならびに津波への防災技術の確立を目指して」
-スマトラ沖地震・津波に学ぶ-
【コンセプト】
2004年12月ならびに2005年3月と続いて発生したスマトラ沖地震・津波は、歴代の地震・津波災害の中でも特筆すべき大きな人的被害をもたらしました。わが国においても、東海、東南海、南海地震等のM8を越えるような巨大地震発生の可能性も想定され、スマトラ沖のような大きな被害を繰り返さないためにも、対策技術の早急な確立が求められています。パネルでは、このような、巨大地震および津波に対する防災技術確立を目指すための基本資料として必要となる、地震や津波の現象把握ならびに当該対応技術の現状を定量的に行うことを目的としています。また、これらを巡るさまざまな話題を提供することによって、巨大海洋性地震に対するハードソフト両面の防災技術の発展や新たな展開を加速させることも目指しています。
【プログラム】
午前の部 司会 日本海洋工学会運営委員 木下 健(日本船舶海洋工学会)
9:30~9:35 開会挨拶 日本海洋工学会会長 山崎哲生(資源・素材学会)
9:35~10:20 2004年インド洋津波の被害の特徴と研究課題
今村文彦 東北大学 大学院工学研究科 附属災害制御研究センター
スマトラ沖地震津波による被害はインド洋全域にひろがり、現時点で支社が30万人を越えると言われる史上最大の災害となった。この災害は、マグニチュード9.0の地震そのものや、それが引き起こした地震被害、インド洋全域にわたる津波被害、数百万人に及ぶ被災者への国際救援活動、インド洋沿岸諸国での復興など、マングローブ・珊瑚などの環境破壊など、長期にわたって総合的に検討すべき多くの課題を抱えている。また、先日(3月28日)、スマトラ島では震源の隣接する地域でマグニチュード8.7の巨大地震が連続して多発し、多大な被害を出すと共に復興活動に影響を与えている。今回、現在まで分かってきた被害の特徴と今後の津波研究の課題を紹介する。
10:20~11:05 2004年インドネシア・スマトラ島地震の特徴と、このような超巨大地震が日本周辺で過去に起きた、あるいは将来起きる可能性
都司嘉宣 東京大学 地震研究所
2004年12月26日にインドネシア・スマトラ島北部西方沖に発生した地震は、マグニチュード9.0という超巨大な規模を持っていた。また余震域の広がりから見たこの地震の震源域は南北1,100 kmにも及んでいた。地震津波発生の約3週間後、我々の国際津波調査団は最大被災地となったスマトラ島北端のBanda Ache市に10日間滞在してこの地震津波による浸水や流速、被害の様子について詳細に調査した。その結果、同市の海岸線から3 kmまでの範囲では、ほぼすべての家屋が流出するという惨状を示していた。また、スマトラ島西側海岸では標高39.4 mの地点にまで海水が遡上し、住民の90 %以上が死亡するという集落があちこちに見られた。日本で周期的な発生が知られている海溝型の巨大地震である南海地震系列の地震にしても、マグニチュードは8.4程度で、地震の長さはせいぜい300 kmである。今回のインドネシア・スマトラ島地震は、規模、震源域の大きさからみて、南海地震が6個ほどいっぺんに発生したのに相当する。このような超巨大な地震は日本列島周辺では過去に起きたことがあっただろうか?また将来も起きることがあるのであろうか?そこで思い当たるのが・・・・宝永地震(1707)である。
11:05~11:50 日本の津波予報・観測・通報システムの現状と展望
束田進也 気象庁 地震火山部 地震津波監視課
世界でも有数の地震国である我が国は、度重なる津波災害にも襲われてきた。全国沿岸を対象とした近地波の予報システムは1952年から、遠地津波に対しては1960年のチリ地震津波を契機として1962年から運用、整備されてきた。近地津波に対する津波予報に至までの時間は、観測技術やコンピュータの技術革新とともに短縮されており、当初20分程度かかっていたものが、近年では3分程度を目指すまでになってきた。本講演では、現在の日本の津波予報、観測、通報システムがどのように整備されているかについて解説し、今後の展望についても述べる。
11:50~12:30 午前の部 討論
12:30~13:30 昼食
午後の部-Ⅰ 司会 日本海洋工学会運営委員 野口 憲一(日本建築学会)
13:30~14:00 海洋工学関連会議報告
14:00~14:45 津波防波堤を中心とした津波防災技術とその課題
富田孝史 独立行政法人港湾空港技術研究所 津波防災研究センター
津波から人命の損失を防ぐためには避難が最も基本的かつ重要な対策であり、これを円滑に進めるためにハザードマップ等のソフト対策が精力的に進められている。しかし、財産の損失やその後の復旧・復興を考えれば、物的被害も極力低減したい。そのためには、構造物によるハード対策を考えなければならない。インド洋津波に対しても防波堤が津波被害の軽減に寄与していることが明らかになっている。本講演では、津波防波堤には津波低減効果に加えて人の避難可能時間を増大させる効果もある津波防波堤を中心とした津波防災/減災のためのハード対策についてまとめるとともに、防災におけるハード対策技術の課題を概説する。
14:45~15:15 コーヒーブレイク
午後の部-Ⅱ 司会 日本海洋工学会運営委員 渡辺 好章(海洋音響学会)
15:15~16:00 GPS津波計測システム
寺田幸博 日立造船㈱ 技術研究所 生産技術研究室
文部科学省の研究開発補助金を受けて、新しいコンセプトに基づく海面変位の計測方法を開発した。計測対象の主眼は津波であるが、津波より周期の短い波浪及び周期の長い潮汐まで同じ精度で計測可能である。この特徴によって、一つの観測機で得られる情報を幅広い防災情報として活用することが可能であり、津波防災に必要な正確で迅速な観測結果を発信することができる。
本報では、計測原理から始め、適用しているGPS測位法や独自開発を行った新測位法について紹介する。また、これまでの開発の過程で得られた種々の観測データを示す。最後に、環日本、環インド洋への展開を期待する防災システムとしての構想について提言を行う。
16:00~16:45 高知県の津波防災対策の現状と課題
楠瀬義広 高知県危機管理課
南海地震による高知県の被害は、最大で死者9,600人、津波による死者はその約7割、7,000人と想定されている。この津波による死者をいかに減ずるかが、本県にとって最も大きな課題である。そのため、避難行動へつながる意識啓発、地域での自主防災組織の設立、避難路・避難地の整備、避難計画やハザードマップの作成、避難訓練などのソフト対策を中心に、これらのソフト対策を補完する物として、津波を防ぐための開口部対策等のハード対策に取り組んでいる。対策は緒についたばかりで、特に、津波避難困難地における避難をどうするか、また地震直後の地盤の沈降、隆起に伴う長期浸水対策など課題は多い。
16:45~17:25 午後の部 討論
17:25~17:30 閉会挨拶 日本海洋工学会副会長 遠藤茂勝(土木学会)
17:45~19:00 懇親会
司会 日本海洋工学会運営委員 桂 忠彦(海洋調査技術学会)