概要
本報告書は、2009年度から2011年度にかけて活動した「ソナーを利用した海洋生物の資源調査方法研究部会」の成果を取り纏めたものである。本部会ではスキャニングソナーを中心とする音響機器を利用した海洋生物の資源・生態調査について、使用する機器の原理、限界、有効な使用方法や使用例、将来有望な技術の調査、現在最も有効な技術の問題点やその改良方法などについての調査・研究を行った。本報告書では原理や手法について詳しく記述してあるため、教科書としても使用できる内容となっている。
目次
第1章 概要
1.1 部会の目的
1.2 部会の構成および経過
1.3 成果の概要
第2章 漁業用スキャニングソナーの原理と特徴
2.1 魚群探知機
2.2 漁業用ソナー
2.3 漁業用ソナーの使用方法
2.4 漁業用スキャニングソナーの技術
2.5 ソナーのデータ収録
Appendix 水中音波の伝搬特性
第3章 水産資源調査におけるソナーの利用
3.1 ソナーによる調査の歴史
3.2 海外の研究例
3.3 逃避行動関連調査
3.4 ソナー画像の3次元可視化
3.5 サイドスキャンソナーによるサンマ中層トロールの採集効率推定
第4章 ソナーによる計量の原理と方式
4.1 ソナーによる計量の原理
4.2 音響的諸問題
4.3 計量方式概観
4.4 有望な計量方式
第5章 ターゲットストレングス
5.1 ターゲットストレングス
5.2 計量ソナーにおけるターゲットストレングス
5.3 国内における近年の測定事例
第6章 最新の調査例
6.1 最新のソナー技術を用いた生物資源調査法の動向
6.2 まき網漁場における魚群量解析
6.3 まき網漁場における魚群行動解析
6.4 ソナーを用いた人工魚礁海域の資源調査
第7章 今後の展望
7.1 はじめに
7.2 日本の漁業の問題と資源管理
7.3 資源管理のために漁業用音響機器に求められる機能
7.4 おわりに