「海中音の計測手法・評価手法のガイダンス」の発行

近年、洋上風力発電、海底資源探査、船舶から発せられる水中音の海洋生物への影響が懸念されています。魚を含む多くの海洋生物は聴覚感度が良く、コミュニケーションのために積極的に音を発します。例えば、日本の温かい沿岸域の水中では、夏になるとニベ科魚類の大コーラスが聞こえます。海洋開発に伴って海中に放射される人工音が、水産資源をはじめとする海洋生物にどのような影響をもたらすのか、科学的に評価する必要性が高まっています。ところが、海中における音の計測手法やその影響に関する評価手法はわが国では整備されておらず、様々な海洋開発の影響評価において手法の標準化が求められていました。

海洋音響学会では2019年に「海中騒音の評価手法研究部会」を設置して検討を進め、このたび「海中音の計測手法・評価手法のガイダンス」を発行しました。本ガイダンスでは、洋上風力発電の建設に伴う杭打ち音をはじめとする特定音と海中の背景音の計測方法、およびその評価方法を示しています。

本ガイダンスへの理解を深め、今後の海中音の計測・評価に広く使われるよう、3月31日13::00からオンラインで、専門家および記者向け合同勉強会を開催いたします。参加申し込みは下記よりお願いいたします。
https://f.msgs.jp/webapp/form/19951_jndb_486/index.do